顎関節の不調について

 口を大きく開けるとガクンとして音も鳴る。口が大きく開けられない。硬いものを噛むと痛い。どうも噛み合わせがしっくりこない。などなどアゴの関節に不調をお持ちの人はけっこういらっしゃるようです。
 いわゆる“顎関節症”は、口腔の問題ですから、口腔外科や歯科医院に相談される人がほとんどかと思います。
 ゆめとわでは“顔の整体”をやっていますので、当然顎関節もその対象です。顎関節でお困りの時は、どうぞ一度ご相談ください。

 顎関節の不調‥その主な症状
    @口を大きく開けるとガクンとして音も鳴る‥‥顎関節の歪みなど
    A口が大きく開けない、開こうとすると痛む‥‥片噛み癖、噛みしめる癖など
    Bかたいものを噛むと痛い‥‥そしゃく筋が弱いことなど
    C噛み合わせがしっくりしない‥‥顔の歪み・身体の歪みなど

@口を大きく開けるとガクンとして音も鳴る
 口を大きく開けるときゴリッとか、カクッとか音(クリック音)がするのは、顎関節にある関節円板が変形を起こし位置がずれているからだそうです。(詳しくは以下のページを参照してください。)
   http://www.tmd.ac.jp/dent/tmj/tmd2/5/click.html
   http://www.tmd.ac.jp/dent/os1/tmd/structure.htm
 関節円板の変形が原因でクリック音がしてしまう場合、その程度によって治癒したり、しなかったり、と口腔外科の領域では“確実に改善できる”といった応えが得られるわけではないようです。
 さて、実際にゆめとわの整体でこの症状に施術をおこなった経験で申し上げると、多くの場合、1時間程度の施術で状態が改善されます。クリック音がまったく消えるようになるとはお約束できませんが、音は少し残るもののほとんど違和感なく、楽に口を大きく開けられるようになることは可能です。
 頭蓋骨を骨折した、打撲したなど、外傷が原因で顎関節がおかしくなってしまったもの、何らかの原因で骨が変形してしまったもの、それらは整体では対処できないことがあるかもしれません。しかしそうではなく、過去の使い癖や姿勢などが原因しておかしくなってしまったものは、顔(頭蓋)または身体の歪みによって顎関節の不調を招いているわけですから、その歪みを解消すれば元の身体や顎関節に戻るのが理屈です。

 他の項目でも記しましたが、今、私たちは“よく噛んで”いません。そして“お腹の冷え”にも無頓着です。パソコンに向かうことが多い人は肩が前に出て猫背です。キーボードやマウスの操作でとってもたくさん指先を使うので、指先が捻れている人がとても多いです。こういったことが身体の歪みの出発点です。そして身体が歪めば顔も歪み、顎関節も歪むのが自然な道理です。
 顎関節でお困りの方は一度ご相談ください。

A口が大きく開けない、開こうとすると痛む
 これも、@の顎関節の変位が原因している場合がありますが、その他に噛む筋肉である“そしゃく筋”(側頭筋・咬筋)がこわばっていることも十分に考えられます。片方の歯ばかり噛む=“片噛み癖”があるとそちら側の咬筋はこわばり、口を開くときうまく伸びてくれないため、口が開かない、あるいは口を開こうすると痛む、という症状が現れます。
 片噛み癖の他には“噛みしめる癖”がある人も同様です。何か物事に集中しているとき、つい噛みしめていたりしませんか。あるいは寝ているとき噛みしめる癖がある人もいます。
 片噛み癖の人は、それを直す必要があります。噛みしめてしまう癖については、昼間であれば自分で注意してその癖を直しましょう。夜中寝ているときに噛みしめてしまう癖は、意識的に直すことは難しいですが、何かの原因によって噛みしめてしまうはずですから、その原因を取り除くように考えます。
 整体的な観点で云えば、身体のどこかにゆるんでいてうまく働くことができない筋肉があるので、それを働かそうとして無意識下にそしゃく筋に力を入れてしまうということも考えられます。(そしゃく筋は全身の筋肉の司令塔のような役割をするので)
 こういう場合は、その働きの悪い筋肉がうまく働くように調整してあげるとそしゃく筋は噛みしめる必要がなくなるので、こわばりが自然と解消していき、開口時の痛みなくなると考えることができます。
  また、片噛み癖や噛みしめる癖がなくても、そしゃく筋がこわばってしまうことがあります。顔の骨格(頭蓋骨)が歪んでいてどちらかの咬筋や側頭筋に無理がかかり、筋肉にこわばりが発生してしまう場合です。
 この場合は、頭蓋骨を整えることで問題を解決することできると考えることができます。

Bかたいものを噛むと痛い
 かたいものが噛めない、強く噛むと痛む、というのは、そしゃく筋にうまく力が入らないため、強く噛もうとするとき他の筋肉に負担がかかって、その筋肉が痛みを発するのだと考えることができます。
 今、普段の食事でかたいものを噛むことが少なくなったため、また、よく噛んで食べる習慣が少なくなったため、このような人がけっこういます。
 こういった人には、ガムを噛んでそしゃく筋をトレーニングすることをすすめています。一週間ぐらいよく噛むことを続けていただければ、この問題は解決すると思います。
 ガムは、トレーニングですので、クチャクチャとただ噛むのではなく、奥歯でしっかり噛むようにして、すこしアゴが疲れるくらい噛みましょう。

C噛み合わせがしっくりしない
 右の奥歯はちゃんと噛み合わせるのだけれど、左の上の奥歯は浮いていて噛み合わない。あるいは、どうも歯が横にずれてしまったようで噛み合わせがおかしい。というような問題は、アゴの骨のずれによるものだと思います。
上の歯が付いている上顎骨は左・右二つあります。下あごの下顎骨は一つです。
 上顎骨は、たとえばうつ伏せや横向きで眠る習慣があると、容易にずれます。全体が右にずれたり、左にずれたりすることもあれば、右側が左側に巻き込むようにずれてみたり、あるいは両方とも内側に入ってしまうようなずれをおこすこともあります。その他にも上顎骨がずれる要因はいくつかあります。
 下顎骨は耳のある側頭骨と関節していますから、側頭骨がずれると下顎骨もずれることになります。他に側頭骨との関係で云えば、側頭筋や咬筋といったそしゃく筋でつながっていますので、そのそしゃく筋がこわばったり、ゆるんだりすれば、直接的に顎関節の関係がおかしくなります。片噛みの影響で云えば“噛んでいる方にアゴ(下顎骨)はずれる”となります。右の歯ばかりで噛んでいれば、下顎は右の方に引きつけられてしまいます。
 さらに、首から胸にかけての筋膜の状態は、下顎骨に“微妙な捻れ”を生じます。実際の施術において、@の顎関節症もそうですが、この噛み合わせの最後の微妙な調整は、首から胸にかけての筋膜の状態を正すことです。つまりそしゃく筋や顔の骨格のことだけでなく、身体にある微妙な捻れが下顎骨にも微妙な捻れをもたらし、“なんとなくしっくりこない”という状態をもたらします。
 歯は一般的な私たちのイメージを超えてフレキシブルに前後左右には動きますから、最初は“なんか噛み合わせがおかしい”と違和感を感じていても、何日かたつとそれも消えてしまいます。だからといって顎関節のずれが直ったわけではありませんので、そのまま放置してしまうと、それは身体の歪みを放置したままにしておくということですから、いつの日かまた何らかの症状をもたら要因になると考えることができます。

ゆめとわでの対応
 「整体で顎関節を整える」というと、みなさんはどのようにイメージされますでしょうか?
 顎関節を強い力で動かしてガツンと入れ直す、みたいなイメージでしょうか。
 ここでは一切そのようなことはいたしません。
 確かに歪んでいるのは骨格や関節ですが、その歪みをもたらしている直接的な原因は筋肉や筋膜の変調です。ですから、整える対象は筋肉・筋膜になります。
 顔への施術であれば、咬筋や側頭筋などそしゃく筋にそっと手をあて変調を取り除く程度のものです。
 私たちの身体は一つながりですから、身体に歪みがあれば、その歪みは必ず顔にも及んでいます。その顎関節が変位しているのはいったい身体のどこの歪みからきているのかをつきとめます。そして、その身体の歪みを修整することによって顔の歪み、顎関節の歪みを修整するというのが、ここでの方法になります。
 多くは手先の捻れ、足首の変調、そしてそしゃく筋の変調を整えることによって顎関節の歪みを整えることになります。施術にまったく痛みはともないませんので、ご安心して一度ご相談ください。

顎関節症の施術前・後の動画です。(you tube)

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