花粉症・アレルギー性鼻炎などについて

 春春は明るく、季節的には心地よいのですが、花粉症で悩んでいる人にとっては外出することが辛く、うっとうしい季節でもあります。
 花粉症は、眼や鼻の粘膜に花粉などが付着して、それがアレルギー性の炎症をおこし、鼻水・鼻づまり・眼のかゆみなどを招く症状です。今回は花粉症やアレルギー性鼻炎について整体的な観点で考えてみたいと思います。

@鼻や頬が下がっている可能性
 花粉症はアレルギー性の症状で、スギやヒノキなどの花粉が鼻や眼の粘膜に付着したときにアレルギー反応が起こり、炎症してしまうものだと考えられているようです。ですからアレルギー反応を軽減する薬や注射など内科的方法を用いて対応するのが適切だと一般に考えられています。
 ところで、花粉がたくさん空気中を舞っているという条件は同じなのに花粉症になる人とならない人がいたり、昨年までは何ともなかったのに急に発症してしまったりすることがあります。どうしてなのでしょう?
 花粉症をアレルギー反応とは別の視点=整体的な観点から考えてみた場合、「眼や鼻の粘膜の対応力」ということが浮かび上がってきます。いわゆる“抵抗力”と言ってもいいかもしれません。
 その人のその時の粘膜が、付着した花粉を無害に処理する力が強ければ炎症は起こらないし、処理能力を超えて花粉が押し寄せてしまったり、何らかの理由で処理能力が低下してしまうと、花粉が粘膜の奥にまで侵入してしてしまうのでアレルギー反応が起こってしまうと考えることができます。すると同じ空気の下で花粉症になる人とならない人がいたり、同じ人でもその時の状態によって症状を現さなかったり、あるいは軽くすんだりすることがあっても不思議ではないと言うことができます。

 さて、実際に花粉症を発症していたり、あるいはアレルギー性の鼻炎で悩んでいる人の顔を拝見しますと、ほとんどの場合、鼻(鼻骨)が下がっています。そして頬骨も下がっていたり狭くなっていたりしていることが多いです。
 整体的な観点では、骨が(わずかであろうと)ずれるとその周辺の代謝力が落ちると考えます。鼻(鼻骨)が下がりますと、内側にある粘膜の処理能力が落ちます。頬骨は眼窩(眼のくぼみ)を形成している骨の一部ですから、頬骨がずれますとやはり眼の粘膜や眼の働きにも影響を与えると考えることができます。

A鼻は肺の煙突
 漢方(中医学)では「鼻は肺の煙突」と表現します。花粉症に対する漢方的な考え方は次のようです。
鼻水のことですが、鼻水は「涕」というふうに字を書き、寒熱をチェックする大きなポイントになります。涕が薄くて水のような状態ならば寒性と判断でき、特に春先の花粉症の場合はほとんどこういう鼻水であり、それは流れ続け、人々を悩ませ続けることになります。特別な場合を除けば花粉症は寒性の場合がほとんどです。この涕の状態だけでも何を食べ、どういう薬を飲めばよいかが分かることになります。そして花粉症の本質は多分にその寒性の体質であると考えることができます。
 つまり花粉症においては身体の内部的な冷えが影響していることが多い、ということです。
 寒い冬の間は厚着をし、身体を温める季節に則した食べ物を食べ、身体を冷やさないように注意して養生しなければならないと漢方では戒めていますが、現在の私たちのライフスタイルは30年前とは変わってしまいました。寒くても冷たい飲み物を好む人が多いようです。実際お腹が冷えている人がたくさんいます。そんな冷えた体質になってしまった人は、春先の大量の花粉をうまく処理することができなのかもしれません。

 実際のところ、下がった鼻骨を修正する方法の一つとして胸部の筋膜を整えることがあります。第3肋骨付近がそのポイントになりますが、第3肋骨は背骨では胸椎3番であり、それは漢方において肺と関係の深いポイントです。
 アレルギー症状として代表的なものは、鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎や湿疹ですが、漢方においては、これらはすべて肺に関係する症状とされています。

ゆめとわでの対応
 鼻づまりに対して「ブリーズライト」という鼻の穴が狭くなるのを防ぐために貼るテープがあります。「ノーズリフト」という製品もあります。どちらも身体にとってマイナスとなる口呼吸を防止するためのものですが、花粉症で鼻水がとめどなく流れ出てしまう時は、反対に鼻の穴に栓をしたくなるくらいですね。
 すると口呼吸になってしまうので、余計に抵抗力が落ちて過敏になりアレルギー反応が亢進してしまいます。
 ブリーズライトやノーズリフトなどの製品を使って鼻の穴が狭くなるのを阻止しようとしても、そもそも鼻の穴自体が狭く、物理的に鼻から空気を取り入れることが難しいという人もいらっしゃいます。そんな人には鼻の穴を広げる手術もあるようです。
 ところが、そういう人も拝見しますとやはり鼻骨が下がっていて、頬骨や上顎骨が内側に寄っていて、さらに下がっています。普通の状態の人は鼻の穴を広げようと意識しますと鼻(鼻翼)が広がると思いますが、そういう人は鼻翼が動かせません。筋肉に命令が伝わらないのです。
 それを、鼻骨や頬骨をはじめ頭蓋の骨を丁寧に一つずつ修正していきますと、普通の常識的な認識では考えられないかもしれませんが、三日月のように細かった鼻の穴が半月以上の形に広がります。そして鼻翼がしっかりし、意志で動かすことができるようになります。

 鼻呼吸に関連して空気の取り入れをよくするためには、鼻骨と頬骨がポイントです。
 さらに胸そのものや、胸に通じるノド(甲状腺)がこわばっていても空気をうまく取り入れることができません。考えることが多い人、悩みが多い人は眉間にシワが寄っていますが、そういう人は往々にして鼻骨を下げ、頬骨を狭くし、ノドも締めつけ気味になっていますのでいつも苦しそうです。仰向けで寝ると息苦しいので横を向いてでなければ寝られない、と言います。無意識のうちにいつも力んでいるのですね。
 そういう人の鼻骨や頬骨、頭蓋全体を整え、噛みしめやノドのこわばりを取り肋骨を整えますと、本当に楽そうな顔になります。空気の取り入れが良くなるからでしょう。

 鼻骨は胸の状態とも関係しますが、頭の後ろの骨(後頭骨)とも深く関係します。そして後頭骨は背骨や骨盤の骨と関係しますし、それらは足の状態と関係します。ですから、鼻骨を整えるためには全身の状態をみて、鼻骨を下げている根本原因を探し出し、それを整えることになります。
 頬骨は耳のある側頭骨と関係します。鏡を見て耳の高さが同じでなければ、それは側頭骨がずれているということです。眼鏡を使用している人は、眼鏡が傾いてしまうということでわかることでしょう。そして側頭骨は噛む筋肉(そしゃく筋)や鎖骨を介して手の筋肉と関係しますので、台所仕事やパソコンなど手を使う作業が多く指先が疲労していたりするとずれを生じることになります。
 その他にも胸やノドを整え、お腹の冷えを解消することなどを行い、呼吸器系の流れを良くすることで花粉症に対応するのがここでの施術になります。
 前にも申し上げましたが、整体を施し、全体の血液循環や呼吸の流れを良くすれば、花粉に対する粘膜の処理能力が高まると考えています。そうすることでアレルギー症状を軽減することができるのではないかと思っています。

 内服薬や点鼻薬、目薬などによる対策が一般的ですが、薬を使わずに症状を軽減したいとお考えの方は、どうぞ一度ご来店ください。お待ちしています。

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