B舌骨の位置が変わり、呼吸や舌の働きにも影響がでる
私たちは食べる時も言葉を発する時も盛んに舌を使いますが、舌は私たちの想像以上に大きな筋肉の塊であり、舌骨という半ば宙に浮いた状態の骨を基盤にして働いています。この舌骨が本来の位置からずれたり不安定になりますと舌の働きに影響がでます。「舌を噛みやすい」「しゃべりづらい」「のどのところで呼吸が引っかかる気がする」あるいは無呼吸症候群の症状がある場合など場合は、舌骨について確認してみる必要があるでしょう。
体の中のほとんどの骨は隣り合う骨と直接接していますが、肩甲骨や舌骨は他の骨とは直接接しているわけではありません。舌骨は顎の下で宙に浮いています。胸からの筋肉、のどからの筋肉、そして顎や頭蓋骨や肩甲骨からの筋肉につながっていて、それらの筋肉の引っ張り合うバランスによって位置が決まってきます。
噛みしめや歯ぎしりの影響という面では、側頭骨から舌骨につながっている茎突舌骨筋と顎二腹筋の状態を考える必要があります。
噛みしめの癖や歯ぎしりの癖を持つ人の多くは、そしゃく筋に力がはいってこわばっているだけでなく、耳の周辺から下顎、のど仏のところあたりまで力が入っていて硬くなり緊張状態にあるようです。この部分は筋肉としては茎突舌骨筋と顎二腹筋のあるところです。
この二つの筋肉がこわばりますと、舌骨を上の方(顎関節の方向)に引き上げることになります。すると舌の働きに影響がでます。また気管やのどの位置も本来からずれますので、少なからず呼吸や発声に影響がでます。いつものどが少し絞められているような感じになるのかもしれません。